譲渡希望者の出現【その壱1】
M&A業者B の支援で事業譲渡を進めていくと決めました。
面談の際担当者Hからは、
「だいたいの訪問看護ステーションは人員の常勤換算を欠けたか、または赤字で経営が成り立たなくなってから売却します。そうすると譲渡するにも金額が低額に成らざる得ないのですが、御社であれば黒字経営の状態で売却となりますので、希望する企業もたくさん出てくると思います。」
と、希望を持てる回答を得られました。
それから間も無く、3社の希望する会社を紹介できると連絡があり、
まずは、とある韓国人経営者の新規法人と面談をしました。
事前に、担当者Hからは「代表を含めた役員が皆韓国人ですが気にしませんか?」
と確認がありましたが、私自身、特に韓国人だからと言って特段
嫌厭する訳でもないので、断る理由はありませんでした。
面談当日、先方は男女の二人で私の事務所に訪問してきました。
名刺交換の後の自己紹介によると、なるほど確かに代表取締役である男性は
韓国人であり、No,2である役員の女性は帰化した在日韓国人である。
とても温厚な口調と礼儀正しい姿勢、そして何より素晴らしい企業理念とビジョン。
彼らの熱意を測るには、この日一日で十分でした。
ただし、熱意だけならば・・・・・・。
譲渡を希望している会社とは、まずは一通り面談しておこうと決めていたため、
この日に意思決定をすることはありませんでした。
「まずは譲渡先として候補が一つ。」
私はそんな悠長な気持ちで、次の候補先との面談へと望むのでした。