事業譲渡金額の設定
事業又は法人を売却するにあたっては、
勿論その譲渡金額を設定することが必要となります。
今回わたしは訪問看護ステーションの事業譲渡をした訳ですが、
当初、無知なわたしはオークションの様な形式で金額が決められていくのだ
と予想していました。
ところが、実際はそれとは異なり、
売り上げの推移、保有する資産価値などからM&A業者に最初に設定された
その金額は、以降変化をすることはありませんでした。
と言うのも、実は譲渡先を選定している間にも、売り上げはおかげさまで
右肩上がりの上昇をみせていました。
ところが、譲渡金額が途中で値上がりをすることは愚か、複数の希望者
が現れても競り合わせる様なことはありませんでした。
ただし、これは各M&A業者B によるに手法であり、他社はまた異なる手法
となるかもしれませんが。
また、訪問看護事業の場合、
看護師の資産価値が金額の大半を占めるため、必然的に看護師が多ければ
多いほど譲渡金額も高値となります。
非常勤者よりも常勤者の方が高値であり、管理者となるとさらに高値となります。
その結果、私は担当者Hに推奨された金額は、一つの条件付きによる金額でした。
それは、譲渡までにどんなトラブルが生じても動かぬ
1千5百万円。
つまり、譲渡前に
「看護師が退職してしまった。」「売り上げが下がってしまった。」
などの予期せぬ事態が生じたとしても、その金額に対し先方からの値下げ交渉
を受け入れない。という条件を付加させたのでした。
が、しかし、、、、、、、
M&A業者B による口車に乗せられたと知ったのは、
最悪の自体が起きてからだったのです。
後につづく。。。。。
譲渡希望者の出現【その壱1】
M&A業者B の支援で事業譲渡を進めていくと決めました。
面談の際担当者Hからは、
「だいたいの訪問看護ステーションは人員の常勤換算を欠けたか、または赤字で経営が成り立たなくなってから売却します。そうすると譲渡するにも金額が低額に成らざる得ないのですが、御社であれば黒字経営の状態で売却となりますので、希望する企業もたくさん出てくると思います。」
と、希望を持てる回答を得られました。
それから間も無く、3社の希望する会社を紹介できると連絡があり、
まずは、とある韓国人経営者の新規法人と面談をしました。
事前に、担当者Hからは「代表を含めた役員が皆韓国人ですが気にしませんか?」
と確認がありましたが、私自身、特に韓国人だからと言って特段
嫌厭する訳でもないので、断る理由はありませんでした。
面談当日、先方は男女の二人で私の事務所に訪問してきました。
名刺交換の後の自己紹介によると、なるほど確かに代表取締役である男性は
韓国人であり、No,2である役員の女性は帰化した在日韓国人である。
とても温厚な口調と礼儀正しい姿勢、そして何より素晴らしい企業理念とビジョン。
彼らの熱意を測るには、この日一日で十分でした。
ただし、熱意だけならば・・・・・・。
譲渡を希望している会社とは、まずは一通り面談しておこうと決めていたため、
この日に意思決定をすることはありませんでした。
「まずは譲渡先として候補が一つ。」
私はそんな悠長な気持ちで、次の候補先との面談へと望むのでした。
M&A支援業者の選定【その2】
M&A業者Aの仲介を辞退し、
次に面談をしたのが今回のM&A業者B となります。
知ったきっかけはインターネット検索でした。
まずは電話をし面談の設定をしました。
そして当日、担当者Hが当方の本社へやってきます。
(本社は訪問看護ステーションとは別の地域にあります。)
遠路遥々都内から地方へ出向いてくれ担当者Hは、
芯のあるビジネスマンでなかなか信頼できそうな感じ。
丁寧に説明をしてくれた後、いよいよ譲渡金額の概算見積もりへ。
1千5百万円。
実は2千万円くらいを予想をしていたのですが、
最初の見積もりは遥かにまし。
それから数日考慮の末、結局業者選定はB に決定をしました。
この選択が後に最悪の事態を引き起こすとは知らずに。。。。。
M&A支援業者の選定【その1】
2016年8月、当社が約1年半運営した訪問看護ステーションを売却することを決意しました。
ですが、M&Aに関して知っているのは用語だけ。
経験はおろか知識さえもなかったわたしは、まずは情報収集から開始しました。
すると間もなく分かったのが、少額の取引を支援する業者は少ないという事でした。
取引額が2千万円未満となると、取り扱ってくれる業者はぐーんと減ります。
黒字経営ではありましたが、なんせ運営してまだ1年半の物件。
高値が付けられるわけがありませんでした。
そしてまず最初に見積もりの依頼を掛けたのがM&A業者A。
たしかDMで知ったのがきっかけでした。
こちらの業者、商号は立派でしたがおそらく一人で運営しているようでした。
なかなか横柄な態度の男。もうそれだけでうさん臭く感じていたのですが、
譲渡金額の概算を出してもらったら、その金額には落胆しました。
たったの400万円。
しょぼくれた私は、早々に次の業者探しをしました。
登場人物紹介
M&A業者A ・・・・・・ 一番最初に事業譲渡の支援に関する相談を持ちかけ
た業者。予想提示された金額があまりにも低額過ぎた
ため、依頼をやめる。依頼のきっかけはDM。
M&A業者B ・・・・・・ 二番目に相談を持ちかけ、支援依頼をすることとなっ
た今回のレビュー対象となる業者。介護業界のM&Aを扱
うとすると謳っているが、凡そ仕事ぶりは素人レベル。
依頼のきっかけはインターネット。
M&A業者B 担当者H ・・・・・・ M&A業者B の初期担当者。
M&A業者B 担当者D・・・・・・ 担当者Hより案件を引き継ぐ。
M&A業者B O・・・・・・ 担当者Dの上司。
株式会社C 代表取締役K・・・・・・ M&A業者〇〇〇 より紹介を受けた株式会社Cの
代表取締役。数々のトラブルを起こす張本人。
株式会社C 役員S・・・・・・ 株式会社Cの役員。Kの右手となり、事実上のNo.2。
経営のほとんどを任されている。
看護師 N・・・・・・ 今回、事業譲渡対象となった当方の持つ訪問看護ステー
ションの管理者。突然辞表を提出しそれが大きな火種と
なる。